皆様は、ガラスにどんな種類があるか、ご存知ですか?
実は、私たちが日々生活する環境には、想像以上に多種多様なガラスが用いられています。
美観のため、防災・防犯のためなど、用途に応じて最適なガラスも異なりますので、ぜひご依頼される前に、
参考として各ガラスの特長をご覧ください。
透明ガラス(フロートガラス)
窓ガラスに使用されている一般的なガラスで、フロート法で製造されているため、フロートガラスと呼ばれており、ガラスの中では、一番安価なガラスになります。平滑で反射映像に歪みが少ないのも特徴です。
通常、大きいテラス窓には5mm以上、小さい窓には3mmサイズのガラスが使われていますが、3mmガラスは板のたわみが大きく、割れやすいため、新しくガラスを取り付ける場合は、板のたわみが少なく施工しやすい5mmをオススメします。
※5mmガラスは3mmガラスと比べると2倍の面強度があります。
- 主な使用用途
-
- 住宅、店舗、高層建築などの窓
- 大型ガラススクリーン
- ショーケース、棚板
- 家具、人形ケース、額縁用ガラス
- テーブルトップガラス
- 厚み
-
- 3mm
- 4mm
- 5mm
- 6mm
- 8mm
かすみガラス (型ガラス)
すりガラス
フロストガラス
すりガラスを化学処理したガラスです。化学処理によって、すりガラスにある凸凹が滑らかになり、すりガラスよりも汚れが付きにくくなっています。また、水拭きしても透明になりません。見た目の印象は、すりガラスとほとんど変わらず、やわらかい光を均一に取り入れることができるため、内装ガラスやインテリアなどに使われることが多いのも特徴です。
また、すりガラスとの違いとしては、強化ガラス加工できる点が挙げられます。枠の無いパーテーションにも使用できるなど、すりガラス以上に幅広いシーンでご活用いただけます。
- 主な使用用途
-
- デザイナー住宅の窓
- パーテーション
- インテリア家具
- 厚み
-
- 3mm
- 5mm
強化ガラス
通常の板ガラスの3~5倍の強度があるのが特長で、約700℃まで加熱した後、均一に急冷することで、ガラスに圧縮層を作り、強度を上げています。その強度を活かし、風が強く当たる窓や、テーブルトップやガラス棚などの枠に入らない場所に使用します。
また、割れにくいガラスではありますが、決して割れないガラスではありません。ただし、万一割れても破片が粒状になるため、人体に深い傷を与えることはありません。そのため、安全なガラスとして、学校などの公共施設の窓に採用されています。
強化ガラスは、ガラス表面に熱処理をしているため、反射する光がゆがんで見えることがありますが、窓ぐらいの大きさであれば、分からないほどの歪みですので、ご安心ください。
- 主な使用用途
-
- 学校などの公共施設の窓
- 高層建築
- テーブルトップ
- ガラス棚板
- 枠の無い間仕切り
- キッチンコンロの防熱カバー
- 厚み
-
- 4mm
- 5mm
- 6mm
- 8mm
- 10mm
強化ガラスのもう一つの強み
一般的に、ガラスは特殊異形や穴あけ加工をすると、強度が大きく下がり、割れやすくなってしまいます。その点、強化ガラスはそうした加工に強いため、特殊異形や穴あけ加工をする場合は、強化ガラスを選択して製作することが一般的です。大手ガラスメーカーでは、強化ガラス以外での穴あけ加工を受け付けていないほどです。
網入りガラス
網入りガラスは、火災が発生した際に、窓から火が隣の家に燃え広がるのを防ぐためのガラスです。そのため、防火性に優れており、20分耐火をクリアしたガラスとなっております。
通常、延焼のおそれがある窓には防火基準が定められており、防火ガラスの使用が義務付けられています。防火ガラスとしてく用いられているのが、網入りガラスです。
※タテワイヤーは、防火ガラスとしては使用できません。
なお、網入りガラスは防犯ガラスではありません。「防犯のために網が入っている」と勘違いされがちですが、これは間違いです。火災時でも破片が飛散しにくいという特性はありますが、割ろうと思えば、簡単に打ち破られてしまいますので、ご注意ください。
- 主な使用用途
-
- 防火設備窓
- アーケード、庇などの屋根材
- ベランダ、吹抜けや階段の手すり
- 破損時に落下の危険性がある場所の使用
- 厚み
- 6.8mm
網入りガラスご使用時の注意
網入りガラスは、自然に割れてしまう恐れのあるガラスです。原因は、錆割れと熱割れが挙げられます。錆割れとは、ガラス内の鉄製ワイヤーが錆びてしまい、ガラスを割ってしまう症状です。もう一つの熱割れは、直射日光により鉄製ワイヤーが熱せられることで、熱膨張を起こし、膨張率の低いガラスとの差異によって、ガラスが割れてしまう症状です。そのため、日光が当たりやすい場所への利用は、控えた方が無難です。
飛散防止ガラス(合わせガラス)
2枚のガラスを貼り合わせたガラスです。接着には、ポリビニルブチラールの中間膜をガラスで挟み、加熱圧着して製造しています。窓枠に入ってしまえば、1枚ガラスと見分けがつきません。
中間膜が強靭で、高い飛散防止効果を有するため、ガラスが破損した際でも、破片の飛散がほとんどなく、安全なガラスと認識されています。さらに衝撃物に対しての耐貫通性能もあるなど、地震や台風といった自然災害時にもガラスの貫通や脱落を防ぐことができます。
こうした豊富な強みから、防災ガラスとして、学校などの公共施設への採用が進められています。
- 主な使用用途
-
- 住宅、店舗、高層建築などの窓
- 学校などの公共施設の窓
- アーケード、庇などの屋根材
- ベランダ、吹抜けや階段の手すり
- 破損時に落下の危険性がある場所の使用
- 厚み
-
6.4㎜以上
※ガラスの組み合わせによって
厚みは変わります
さらに、こんな強みも
中間膜のポリビニルブチラールには、紫外線を99%カットするという特性があるため、畳や壁紙、カーテン、家具などの日焼けを軽減することもできます。
複層ガラス(ペアガラス)
2枚のガラスの間に空気層を作ることによって、断熱性能を高めたガラスで、1枚ガラスに比べて、約2倍の断熱性能を有しております。
代表的な特徴としては、外気の熱を入れず、空調の内気を逃さないため、夏の冷房効果・冬の暖房効果を確保できる点から、エコガラスとも呼ばれています。
近年の木造住宅の窓ガラスは、ほとんどがペアガラスで、標準的なガラスになっています。もし二枚のガラスのうち一枚が割れてしまっても、もう一枚のガラスが残っていれば、急いで交換しなくて良い点からも、エコなガラスだと言えます。
- 主な使用用途
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- 一般住宅、マンションなどの窓
- 病院やオフィスビルなどの窓
- 厚み
-
10㎜以上
※ガラスの組み合わせによって厚みは変わります
ペアだからこそできる、様々な組み合わせ
ペアガラスの一番の特長は、組み合わせるガラスによって、様々な効果を得られる点です。防犯効果を高めたり、遮熱断熱効果を高めたりと、希望の効果に応じた板を選ぶことができます。
ポリカーボネート板
ポリカーボネートはガラスの約200倍・アクリル板の約30倍の強度を誇ります。その強度は、ハンマーなどで叩いても、ほとんど割れることがないほどです。
透明の板材の中では、最高クラスの耐衝撃強度を有しており、こうした高い衝撃強度を活かして、防災、防盗、防護目的で用いられています。
また、割れにくい特性から穴あけ加工を施して使用できるほか、ガラスの半分の重さのため、軽量化が可能など、多数のメリットを有しています。
ただし、傷が付きやすく、板たわみ量も大きいので、使用する場所に注意が必要な点を忘れてはなりません。
- 主な使用用途
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- アーケード、庇などの屋根材
- カーポートの屋根材
- ベランダ、吹抜けや階段の手すり
- 学校などの公共施設の窓
- パーテーション
- 厚み
-
- 4mm
- 5mm
- 6mm
- 8mm
ご覧のように、ガラスの種類は多種多様です。
もしも、「最適なガラスが分からない…」とお困りの方は、
お気軽にガラスコンビニにご相談ください。